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アセトン体  
acetone


基準値 (-)検出せず
検出されないのが正常である。飢餓や発熱などが原因となって検出されることが多い。一言で言えば栄養のbalanceが負に傾いている事の表れである。試験紙法では(−)が正常。


[検査データの読み方]

(+)-(+++)
(検出されたということ)
[よくある病気として]絶食、飢餓発熱、嘔吐、下痢、運動、外傷、管理の悪い糖尿病、ショック、手術、妊娠悪阻、薬物中毒、高脂肪食、糖原病、甲状腺機能亢進症、(グルカゴノーマ、褐色細胞腫、虚血性心疾患、脳血管障害、自律神経失調症)などの消耗性疾患 
どうするか 管理不良の糖尿病性のケトアシドーシスでは、緊急入院し集中治療室にて輸液、インスリン持続投与、電解質補正(特にK補給)と栄養補助を行う。体液のアンバランス、アシドーシスの補正はpH<7.0〜7.1以外は通常行わないで経過を見る。その他の症状、検査データなどの解析より、原因となる病気の診断、治療を早期に行うことが肝要。

[どうして異常値が出たのだろう?]
栄養が取れていないから、全身がかったるいはず、本当に酷いときにはアセトン臭が周囲に漂っている。

アセトンはアセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸とともにケトン体の一種である。体の中で糖(グルコース)の利用障害、絶食、飢餓、代謝亢進などにより、生体内のエネルギー依存度が糖質から脂肪酸へと傾くと、生体内に貯蓄された脂肪が分解亢進され、増加した遊離脂肪酸が肝細胞の中に取り込まれ、アシルCoAとなり、その一部はミトコンドリア内でβ酸化を受け、アセチルCoAが合成される。アセチルCoAはアセト酢酸になり、多くはβ-ヒドロキシ酪酸脱水素酵素により還元されて、β-ヒドロキシ酪酸へと変化する。一部が非酵素的に脱炭酸化されアセトンとなる。

肝臓で生成されたケトン体は、肝細胞では代謝できないため、骨格筋、心筋、腎臓などの組織で再利用される。これらの組織の処理能力を超えると、血中にケトン体が増加し尿中に排泄されるようになる。

糖尿病ではインスリンの作用不足により、脂肪の分解亢進による遊離脂肪酸の上昇、肝におけるカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(carnitine palmitoyltransferase;CPT)の活性化などによりケトン体の上昇をきたす。ケトン体が著増(3〜5mmol/L以上)すると、pHが7.3以下の糖尿病性ケトアシドーシスとなり、アセトンも著明に増加する。アセトンは揮発性であり呼気に排出されて、最初に述べたようにアセトン臭として認められることがある。この現象はアシドーシスの発症には直接寄与しない。全身倦怠感が著明な状態を示唆する所見だ。



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