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AST[僕が学生のころはGOTと呼ぶほうが普通だった・・・]

aspartate aminotransferase[glutamic oxaloacetic transaminase]


基準値 1140IU


 [検査データの読み方]

 ASTはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの略。GOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)とまったく同じものだが、最近はASTという名前が使われる傾向にある。

高度増加 1000IU/L
以上
絶対入院

[しばしば認める病気]ウイルス性急性肝炎(極期)、ウイルス性慢性肝炎の急性増悪 
[時に認める病気]劇症肝炎、薬物性肝炎、虚血性肝炎(ピーク時) 感染源、薬物、血圧低下の問診。ALTLDHと比較。各種肝炎ウイルスマーカーの検索。総ビリルビンPTの測定。アルブミンChE総コレステロールの測定。

高度増加 500IU/L
以上
もちろん入院

[しばしば認める病気]ウイルス性急性肝炎(極期)、ウイルス性慢性肝炎の急性増悪 
[時に認める病気]急性アルコール性肝炎、薬物性肝炎、肝炎ウイルス以外のウイルスによる急性肝炎、総胆管結石、心筋梗塞 感染源、薬物、腹痛、飲酒、胸痛の問診。ALTLDHと比較。γ-GTPALPの測定。肝炎ウイルスマーカーの検索。総ビリルビン、PTの測定。アルブミン、ChE、総コレステロールの測定。血沈、CK、白血球の測定。

中等度増加 100500IU/L 念のため入院

[しばしば認める病気]ウイルス性慢性肝炎 
[時に認める病気]自己免疫性肝炎、急性アルコール性肝炎、薬物性肝炎、脂肪肝、肝炎ウイルス以外のウイルスによる急性肝炎、閉塞性黄疸、原発性胆汁性肝硬変、心筋梗塞、筋肉病気、溶血性病気 感染源、薬物、腹痛、飲酒、胸痛、脱力、濃染尿の問診。肥満、糖尿病のチェック。ALTLDHと比較。γ-GTPALPの測定。肝炎ウイルスマーカー、EBX抗体、CMX抗体の検索。総ビリルビン、PTの測定。アルブミン、ChE、総コレステロールの測定。抗核抗体、IgG濃度、LE細胞現象の測定。網状赤血球、Hb、ハプトグロビンの測定。血沈、CK、白血球の測定。

軽度増加 100IU/L
以下
外来観察

[しばしば認める病気]ウイルス性慢性肝炎、肝硬変/肝細胞癌、脂肪肝 
[時に認める病気]自己免疫性肝炎、薬物性肝炎、閉塞性黄疸 感染源、薬物、腹痛、飲酒の問診。肥満、糖尿病のチェック。


[どうして異常値が出たのだろう?]肝臓に無理してないですか?3桁の数値なら入院精査しましょうよ。

GOTは主として肝、筋細胞内、赤血球内に存在する酵素で、これらの細胞の壊死、破壊によって血中に逸脱します。このため、血中GOT活性の上昇は、肝細胞、筋肉、赤血球の壊死、破壊の程度を反映します。
GOTは心臓に多く分布している
GPTは肝臓特異性が高い。

しかし、厳密には、細胞内の含量や形質膜透過性の影響を受けます。肝細胞の壊死、破壊の原因は、肝炎ウイルス、薬物、虚血などいずれでもよい。上記の病気ごとに臨床の現場では推移や経過に特徴があり、鑑別上重要であります。ASTは一部ミトコンドリアにも存在し、ミトコンドリア膜障害をきたします重篤な肝障害で血中に逸脱します。アルコール性肝炎やReye症候群で認められます。


[ワンポイントアドバイス]

(1)採血やその後の検体取り扱い時に溶血が起きると、赤血球からASTの逸脱が起き、ASTLDHの血中活性値が見かけ上、上昇します。
(2)立位では安静臥床時の約
10%増しとなります。
(3)スポーツで
CKと共に上昇(最大約20)



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