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高尿酸血症と痛風
hyperuricacidemia and gout


尿酸は体の中で毎日生産され、主に尿の中に排泄されています。体内にあるプリン体が燃焼して、最終的に残された物が尿酸となります。(1)尿酸が体内で過剰生産されるか、(2)尿酸の排泄が停滞するか、いずれか、あるいは両者が原因となって、血液中の尿酸の濃度が上昇します。この状態を高尿酸血症といいます。この状態ではまったく症状はありません。

尿酸の血清中の濃度が6.8(mg/dl)に達すると、尿酸は飽和しています。これ以上の濃度では尿酸が結晶となり、末梢組織の中に沈着が始まります。動脈硬化や痛風の準備状態が始まっていると考えられるので、生活習慣を整備し尿酸の濃度を下げる必要が出てきます。

上で述べた尿酸飽和度は摂氏37度の条件下です。体温低下(下腿の末梢)や高血糖などの悪条件が加わると、さらに低い濃度で飽和が起きやすくなると私は考えています。だから痛風発作は足の親指の根元に起きやすいのです。

治療では薬物療法が主体となります。すなわち、病態を考慮し、(1)尿酸合成阻害薬か(2)尿酸排泄促進剤が投与されます。

食事療法ではプリン体の摂取をできるだけ避け、水分摂取を心がけましょう。ビールにプリン体が多いのは有名ですが、おいしいお酒のおつまみにプリン体が多く含まれることも覚えておきましょう。

その他の生活習慣病では、運動療法が有効ですが、この病気では激しい運動は却って尿酸の値を上げる方向に働きます。軽い散歩がお勧めです。

痛風発作は激痛で始まりますので、すぐに察しが着くと思います。しかし、このような痛みを伴う疾患は、体の危機的状況のひとつに過ぎません。
この高尿酸血症という危険な氷山の海水下に潜む病態にこそ最大限の注意を払うべきです。

高尿酸状態を放置したがために、脳梗塞、脳出血、狭心症、心筋梗塞など致命的な疾患が惹起されるのです。
食事療法 野菜を中心にした献立を考えよう。
食品(100グラム)の中に含まれるプリン体の量を示しておきます。

プリン体の多い食品を避けて、健康な体作りをしましょう。

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