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カリウム〔K  

potassium


基準値 3.54.9mEq/L


 [検査データの読み方]

高度低下 1.9mEq/L以下

[しばしば認める病態]嘔吐・下痢・摂取不足の組み合わせ 
[時に認める病態]原発性アルドステロン症、Bartter症候群 

中等度低下 22.9mEq/L

[しばしば認める病態]嘔吐、下痢、下剤服用、利尿薬投与、グリチルリチン、摂取不足 
[時に認める病態]原発性アルドステロン症、腎尿細管性アシドーシス、Bartter症候群 

軽度低下 33.4mEq/L

[しばしば認める病態]嘔吐、下痢、下剤服用、利尿薬投与、グリチルリチン、摂取不足 
[
時に認める病態]原発性アルドステロン症、Bartter症候群、腎血管性高血症、Mg欠乏

軽度上昇 55.4mEq/L

[しばしば認める病態]急性腎不全(非乏尿性)慢性腎不全偽性高K血症(白血球増加症、血小板増加症)アンジオテンシン変換酵素阻害薬、β-ブロッカー、スピロノラクトン、非ステロイド性消炎鎮痛薬、糖尿病(低レニン性低アルドステロン症)、アシドーシス 

中等度上昇 5.56.4mEq/L

[しばしば認める病態]急性腎不全(乏尿性)、透析患者、糖尿病性腎臓障害

高度上昇 6.5mEq/L以上 これ以上の上昇は心停止を引き起こします

[しばしば認める病態]急性腎不全(乏尿性)、透析患者


[どうして異常値が出たのだろう?]
この数字が大きくても小さくても不整脈を起こしてくるので注意が必要。原因は多岐にわたる。
心電図の波形からKの値を推定できる

体内K総量のうち98%は細胞内に存在し、細胞外液中に含まれるKは全体K量の約2%であります6080mEqにすぎない。このため細胞内外のK移動により容易に血清K濃度は変わりうる。この移動に影響します因子として、酸塩基平衡状態(pH)、インスリン、カテコールアミンなどがあります。

1日のK摂取量は約50100mEqで、その90%以上は尿中に排泄される。したがって、K代謝の恒常性はほとんど尿中K排泄の調節によってほぼ規定されています。この尿中へのK排泄は皮質部集合管におけるK分泌によって決定される。

(1)
K摂取量
(2)アルドステロン
(3)集合管の尿流速度、
Na到達量
(4)非再吸収性陰イオンの存在

などの因子に影響される。

 K血症の原因は摂取不足か腎性喪失か腎外性喪失であるかを考えればよく、K血症の原因としては腎機能低下時での摂取過多か、腎からの排泄低下に大きく分類される。そしてこれら体内バランスの異常をきたします病態以外に、細胞内外の移動による因子を考慮すればよい。

[ワンポイントアドバイス]

(1)偽性高K血症を除外します(白血球増加症、血小板増加症)
(2)随時尿で尿
K濃度を測定し、fractional excretionを計算します(腎性か腎外性か判断します)
(3)動脈血液ガスを調べ、体液
pHを評価します。
(4)薬剤(漢方薬も含めて)による影響(偽性アルドステロン症)を考慮します。
(5)
K血症と代謝性アシドーシスの組み合わせは、下痢と尿細管性アシドーシス(typeTおよびU)の場合しかない。



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