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花粉症一発注射療法に注意しよう!


花粉症の注射治療について

 スギ花粉症やアレルギー性鼻炎の「注射治療」には、日本アレルギー学会が推奨する「良い注射治療」と、
できるだけ「避けるべき注射治療」があります。

平成13年の春には全国紙でアレルギー学会がキャンペーンを行いましたから、このことをご存知の方も多いでしょう。


注射一発打てば一月近く花粉症がばっちり治る---と言われている治療法があります。 
副腎皮質ステロイドという副作用が出やすい強い薬物を使用するのですから、確かに近接効果は確認できます。
もっとはるかに安全な方法があるにもかかわらず、この治療を乱発している医院や病院がところどころにあります。
良識のある医師は絶対に行わない治療方法です。



そういうことをやる施設は全国でも限られています。
そういうことをやる施設には素人の患者さんが、良くなりたい一心でクチコミ情報をもとに遠く県外からやってきます。
そういうことをやる施設の待合室にはステロイド依存症の患者さんがたくさんいらっしゃいます。



さらに、自分のご住所の近所でそのような注射治療(?)をしてくれる施設はありません。
どんなに遠くても1日かけてお注射に通われるわけですから、救われようがありませんね。
長年こういう治療を受けてしまいますと、大抵は糖尿病や、高血圧を併発しています。

まさかそのありがたい注射薬のせいで、余病に悩んでいるとは露も知らず、本当にお気の毒だと思います。

この問題は、私がこのホームページを作成した動機のひとつです。



 避けるべき注射治療」は・・・・数週間作用する副腎皮質ホルモンのデポ剤注射療法です。


以上のどれかに当てはまる場合は避けるべきです。
インフォームドコンセントを拒否する医療は違法だと私は常日頃から考えています。

上記のステロイド薬は1回注射すると、注射部位からステロイドがゆっくり継続して体内へ放出され、
3〜4週間連続作用し続けるので鼻炎症状が長期間抑えられるのです。

しかし、たとえば注射5日目に副作用が出たとしたら・・・この薬は一度注射したら体の外に取り除くことができないので、
副作用は持続し、余病は悪化してしまうことになります。
またこういう時にステロイドホルモンの効果を遮断する薬も存在しません。
なすがまま、薬が体から消えていくのを待つのみです。

ステロイドの副作用として糖尿病誘発、感染抵抗力低下、肥満、高血圧、骨粗しょう症などは有名です。
この系統の薬を連用することにより、ステロイド依存症が出現するという、臨床医学に重要な副作用は、皆さんすでにご存知でしょう。

命に別状の無いアレルギー性鼻炎に使う薬じゃありませんよね。
これが無きゃ致命的な喘息患者さんの為のお薬ですよ。

一年中、呼吸困難が酷くて入院しがちな重症の喘息患者さんにとっても、最後のオプション
できれば喘息患者さんにだって、副作用を考えると使いたくない薬です。


「良い注射治療」・・・・読者ならご存知の減感作療法です。

私の患者さんでも横浜から仙台まで一発治療を受ける為に毎春出かけていたというから驚きです


ワンポイントアドバイス

全身的副作用を起こすのは、内服・注射ステロイドホルモン剤です。
鼻炎吸入用ステロイド剤や喘息吸入用ステロイド剤は心配ご無用です。
アトピー性皮膚炎に対して使用するステロイド軟こうも専門家が注意して処方する限り、
内服・注射ステロイドホルモン剤に比較するほどの危険性はまったく指摘できません。

アトピー性皮膚炎の治療におけるステロイド恐怖症とも言える国民の反応は、
医師の説明不足マスコミの無責任きわまる過剰報道が原因だと思います。

また、前述のような心(あるいは知識)無き医師が、アトピー性皮膚炎患者さんに、
ステロイド全身投与(プレドニン内服・ケナコルト注射)を行って発症させたステロイドの副作用を、
ステロイド軟こうが原因と誤解している節もございます。










誰にもだまされないよう、医療情報の分析には、くれぐれもご注意ください。


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