免疫グロブリンE[IgE][RIST、RAST]
immunoglobulin E[radioimmunosorbent test、radioallergosorbent test]
基準値
・RIST:170IU/mL以下
・RAST:0.34PRU/mL以下
[しばしば認める病気] アトピー性疾患、気管支喘息で高値を示すことが多い。この他特殊な疾患だが、IgE型骨髄腫、寄生虫疾患、原発性免疫不全症候群、木村病、Hodgkin病などの診断に利用される。
[何に役立つ検査方法なの?]
IgEに対する特異抗体を用いて血清中に存在するIgEの総量を測定するのがRISTであり、アレルギーの原因となる抗原(アレルゲン)に対する特異なIgE量を測定するのがRASTである。アレルゲン特異的なIgE抗体は、肥満細胞や好塩基球に付着している。アレルゲンが体内に侵入すると、これらの細胞(肥満細胞や好塩基球)の上で抗原・抗体反応が生じ、その結果、ヒスタミンやSRS-Aなどのアレルギー反応誘起化学伝達物質が細胞から放出され、T型(即時型)アレルギーが発症する。アトピー性疾患、気管支喘息のアレルギーを起こしている物質(アレルゲン)の検索には欠かせない検査である。スギ、HDなどを初めいろいろな花粉症をおこす吸入性抗原および皮膚炎の原因になる食事性アレルゲンが明らかに出来る検査として臨床的に有用。
したがってアレルギー性疾患では、RISTでIgE総量を測定するとともに、RASTでアレルゲンの検索同定を行うことが重要である。疾患活動性や治療効果の評価にも有用。アレルギー性疾患が認められなくてIgE値が高い場合は、寄生虫疾患や他の疾患の検索を行う。
[ワンポイントアドバイス]:なにが原因でアレルギーが起きているのか一目瞭然となる検査。アレルゲンを用いた皮内反応と併用します。
アレルギー性疾患においては血中IgE値の季節性の変動があるので、その増減の判定には注意を要します。また血清IgE値が正常でも、抗原特異的IgE抗体が証明されることがあります。減感作療法で体質改善をすることをお勧めします。減感作療法を行う前に必須の検査ともいえます。
[検査費用]
健康保険の適応です。特殊検査ですので若干高価です。検査項目種類により異なりますが、個人負担額は5000円から8000円程度です。アレルギーと縁を絶つための、一生に一度の検査と割り切れば決して高い検査じゃないと思います。クリニックで検査された方には、検査の写しをお渡しします。大事に一生保管しておいてくださいね。