総鉄結合能〔TIBC〕、不飽和鉄結合能〔UIBC〕
total iron binding capacity、unsaturated iron binding capacity
基準値
TIBC
- 男性: 238~367mg/dL
- 女性: 246~396mg/dL
UIBC
- 男性: 117~275mg/dL
- 女性: 159~307mg/dL
検査データの読み方
1. 総鉄結合能 (TIBC)
総鉄結合能の増減はトランスフェリンの増減を意味します。
2. 不飽和鉄結合能 (UIBC)
基準下限以下
- 男性: 117mg/dL以下
- 女性: 159mg/dL以下
- しばしば認める病気: 慢性感染症、ネフローゼ症候群、急性肝炎、肝硬変、悪性腫瘍
- 時に認める病気: 再生不良性貧血、ヘモクロマトーシス、ヘモジデローシス、蛋白漏出性胃腸症、膠原病、先天性無トランスフェリン血症
基準上限以上
- 男性: 275mg/dL以上
- 女性: 307mg/dL以上
- しばしば認める病気: 鉄欠乏性貧血
- 時に認める病気: 真性赤血球増多症
異常値の原因
貧血と関連しています。消化管のがんや潰瘍にも注意が必要です。鉄欠乏性貧血が進行すると、総鉄結合能と不飽和鉄結合能の両方が増加します。
総鉄結合能とは血清中のトランスフェリンが結合しうる総鉄量を指し、総鉄結合能の増減はトランスフェリンの増減を意味します。不飽和鉄結合能 (総鉄結合能-血清鉄) は、肝臓でのトランスフェリンの産生量、体外喪失 (腎または腸管) と血清鉄量によって影響を受けます。
ワンポイントアドバイス
- 日内変動があり、不飽和鉄結合能は血清鉄の高い早朝で低い傾向にあります。
- 総鉄結合能・不飽和結合能ともに生理のある女性で高値を示します。




