疣贅(ゆうぜい)

(いわゆるイボ)

疣贅は、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の感染によって引き起こされる皮膚の病変です。HPVには多くの種類があり、疣贅もその種類によって様々な形態をとります。一般的には、皮膚や粘膜に小さな硬い隆起が現れます。

症状と特徴

  • 外観: 疣贅は通常、皮膚の表面に小さな硬い隆起物として現れます。色は皮膚色から褐色まで様々で、表面がザラザラしていることが多いです。
  • 部位: 手足の指や足裏、顔、首、膝など、身体のどの部分にも発生します。
  • 痛み: 一般的には無痛ですが、足の裏などにできる場合は歩行時に痛みを伴うことがあります。
  • 感染経路: 直接接触や、共用物(タオル、靴など)を介して感染します。

治療方法

  • 液体窒素療法:
    • 方法: 液体窒素(-196℃)を用いて疣贅を冷凍凝固します。これにより、疣贅の細胞が破壊されます。
    • 利点: 簡便で効果的な治療法で、保険適用されます。
    • 副作用: 凍結に伴う痛みや、水疱、色素沈着が起こることがあります。
  • レーザー治療:
    • 方法: 高エネルギーレーザーを使用して疣贅を蒸発させます。
    • 利点: 精密な治療が可能で、再発率が低いとされています。
    • 注意: 自費診療となります。
  • 外用薬: サリチル酸やイミキモドクリームなどの外用薬を使用することもあります。これらは疣贅の除去を助けますが、効果が出るまでに時間がかかることがあります。
  • 手術的除去: 非常に大きな疣贅や他の治療法が効果を示さない場合、外科的に除去することがあります。
  • ヨクイニン(薏苡仁):
    • 概要: ハトムギの種子から抽出された成分で、漢方薬として利用されることが多いです。
    • 効果: 免疫力を高め、皮膚の新陳代謝を促進する作用があり、疣贅の治療に補助的に用いられます。
    • 使用方法: ヨクイニンを含む内服薬や外用薬として処方されることがあります。比較的安全で副作用も少ないとされています。

予防方法

  • 個人の衛生管理: 手足を清潔に保ち、傷ができた場合は適切に処置することが重要です。
  • 共有物の使用を避ける: 公共のシャワーやプールで裸足で歩かないようにする、タオルや靴などを共用しないようにしましょう。
  • 免疫力の向上: 健康的な生活習慣を維持し、免疫力を高めることも予防に役立ちます。

疣贅は放置しておくと数が増えたり、他人に感染させたりする可能性があるため、早めの治療が推奨されます。気になる症状がある場合は相談してください。