血清アルブミン(Serum Albumin)
血清アルブミン(Alb)とは?
血清アルブミンは、肝臓で作られる重要なタンパク質です。このタンパク質は、体内の栄養状態を示す指標として使われます。アルブミンの量が減ると、栄養状態が悪いことを示している可能性があります。
基準値
血清アルブミンの基準値は、3.8~5.3 g/dLです。この範囲内であれば正常とされています。
アルブミン値の異常とその原因
アルブミンの値が低い場合、その原因にはいくつかの可能性があります。以下に、アルブミン値の減少の程度とその原因となる病気を説明します。
1. 高度減少(2.5 g/dL以下)
しばしば認められる病気:
- ネフローゼ症候群
- 重症肝障害
- 悪液質(末期癌)
時に認められる病気:
- 蛋白漏出性胃腸症
- ヤケド
- 吸収不全症候群などを原因とする栄養障害
- 先天性無アルブミン血症
2. 中等度減少(2.5~3.2 g/dL)
しばしばあるいは時に認められる病気:
- 蛋白漏出性胃腸症
- ヤケド
- 吸収不全症候群などを原因とする栄養障害
- 慢性炎症性消耗性の病気(癌や結核)
3. 軽度減少(3.2~3.7 g/dL)
しばしばあるいは時に認められる病気:
- 蛋白漏出性胃腸症
- ヤケド
- 吸収不全症候群などを原因とする栄養障害
- バセドー病(甲状腺機能亢進症)
- 輸液による血液希釈
異常値が出た場合の理由
アルブミンの値が低くなる主な理由は栄養失調ですが、他にも以下のような原因が考えられます。
- 肝障害や慢性炎症性の病気によるアルブミンの産生低下
- 蛋白尿、下痢、重症の火傷などによる体外への漏出
- 甲状腺機能亢進症や慢性炎症性の病気による代謝亢進
- 栄養不良や消化吸収障害
また、血液希釈によってもアルブミン濃度が軽度低下することがあります。アルブミン濃度が高くなるのは、脱水症(日射病など)の場合がほとんどです。
血清アルブミンの役割
血清アルブミンは、肝臓で合成され、血中で約15日の半減期を持つタンパク質です。これにより、体内の栄養状態を示す重要な指標となっています。
患者さんの血清アルブミン値が異常であった場合、医師と相談して適切な治療や対策を考えてください。




