アマンタジン

成分名: 塩酸アマンタジン (Amantadine Hydrochloride)

A型インフルエンザウイルス感染症に使用する場合

  1. 発症後に使用する場合:
    • 早期の使用が大切: インフルエンザの症状が出たら、できるだけ早く(発症後48時間以内)薬を飲み始めてください。48時間を過ぎると効果が減少します。
    • 期間の制限: 薬を使う期間は必要最低限に抑え、最長でも1週間としてください。長く使うとウイルスが薬に耐性を持つ可能性があります。
  2. ワクチンが入手困難または接種できない場合:
    • インフルエンザが流行し始めたと判断されたらすぐに薬を始め、流行が収まったらすぐに中止してください。
  3. ワクチン接種後、抗体ができるまでの期間に使用する場合:
    • 通常、抗体ができるまでに10日以上かかるので、その期間だけ薬を使い、抗体ができたらすぐに中止してください。
  4. 小児に対する使用:
    • 子供への使用は決まった方法や量がないので、医師が状態を見ながら判断します。

警告

  1. A型インフルエンザウイルス感染症に使用する場合:
    • 医師の判断が必要: この薬は、医師が必要と判断した場合にのみ使用します。
    • 治療時の注意: 必要性を慎重に検討して使用します。
    • 予防時の注意: ワクチンの補完として使うことを考慮します。
    • A型以外には無効: この薬はA型インフルエンザウイルス以外には効果がありません。
    • 自殺企図の報告: 短期間の使用でも自殺企図の報告があります。精神障害や中枢神経に作用する薬を使っている場合は、治療の有益性と危険性を慎重に考慮してください。
  2. てんかんや痙攣の素因がある患者:
    • 発作を誘発または悪化させることがあるので、注意深く観察し、異常があれば適切な対処をします。
  3. 妊婦や授乳婦への使用:
    • 催奇形性が疑われる報告があり、動物実験でも確認されていますので、妊娠中または妊娠の可能性がある女性には使用しません。

禁忌

  1. 妊婦および授乳婦
  2. 塩酸アマンタジンに過敏症の既往歴がある方

適応症

  1. 脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下の改善
  2. パーキンソン症候群
  3. A型インフルエンザウイルス感染症

注意

A型インフルエンザウイルス感染症に使用する場合:

  1. 必要と判断した場合にのみ: 症状が重く死亡率が高いと考えられる人(高齢者や免疫不全状態の人)や、そのような患者に接する医療従事者などに使用します。
  2. 抗ウイルス薬の必要性の検討: 全てのA型インフルエンザウイルス感染症に抗ウイルス薬が必須ではないことを踏まえ、使用の必要性を慎重に検討します。
  3. 予防の場合: ワクチン療法を補完するものであり、以下の場合にのみ使用します:
    • ワクチンが入手困難な場合
    • ワクチン接種が禁忌の場合
    • ワクチン接種後、抗体ができるまでの期間
  4. A型以外には無効: この薬はA型インフルエンザウイルス感染症以外には効果がありません。