狭心症

狭心症とは

狭心症(angina pectoris)は、心筋に十分な酸素が供給されないことで起こる胸の痛みや不快感を指します。

症状

  • 主な症状:胸が締め付けられるような痛み。
  • 痛みの場所:通常は前胸部や胸骨裏ですが、顎関節、歯、肩、背中、心窩部に感じることもあります。
  • 痛みの持続時間:通常数分以内に消えます。労作性狭心症は安静にすると数分で痛みが消えますが、冠攣縮性狭心症では痛みが変動しながら30分近く続くことがあります。

発作の状況

  • 労作性狭心症:一定以上の労作を行った場合に再現性をもって発作が生じ、安静により消失します。
  • 冠攣縮性狭心症:夜間から早朝にかけて発作が生じることが多いです。

応急処置

  • ニトログリセリン:舌下投与で数分以内に症状が消失します。心機能低下がある場合、心筋虚血に伴って肺うっ血や心不全を合併することがあります。

診断

  • 心電図:発作時の心電図が診断に有効です。労作性狭心症ではエルゴメーター運動負荷心電図が、安静時狭心症ではホルター心電図が有用です。

治療目標

  • 狭心症発作の消失:一過性の心筋虚血による狭心症発作を消失させること。
  • 予防:心筋梗塞や心臓突然死の予防。
  • 生活習慣の改善:禁煙、肥満の是正、血清脂質(LDLコレステロール値)の正常化。
  • 薬物治療:高脂血症や糖尿病の管理が重要。

当院で実施している検査

  • 運動負荷心電図:エルゴメーター(室内自転車)にて運動負荷をかけて検査を行います。
  • ホルター心電図:24時間連続して心電図を記録します。外来で行える検査です。
  • 心臓超音波検査:心筋や心臓の弁膜の活動を観察し、心筋虚血の状況を判断します。

ご注意:狭心症を放置すると命に関わることがあります。生活習慣の改善や適切な治療を受けることが大切です。