スギ花粉症の症状
概要
スギ花粉症は、日本における代表的な花粉症の一つであり、1964年に最初に報告されました。現在では、日本全人口の15%以上がスギ花粉症を患っており、特に都市部では有病率が30%にも達しています。花粉症の発症には、花粉環境だけでなく、アトピー素因も大きく影響します。
花粉症の原因
- 花粉環境:スギの植林が多い本州・九州で多く見られますが、北海道・沖縄ではほとんど見られません。
- 花粉飛散距離:スギ花粉は100km以上飛散するため、山間部に限らず、都市部でも発症率が高いです。
- 気象条件:前年の夏期の日照量が多いと花粉飛散量が増え、発症患者数が増加します。
- 好発年齢:20~40歳に多く、最近では学童児の患者も増加しています。
臨床症状
スギ花粉症は、花粉が身体の粘膜に付着、または吸入されることでアレルギー反応を引き起こします。主な症状は以下の通りです。
- 眼症状:そう痒、流涙、結膜充血
- 鼻症状:くしゃみ、水性鼻汁、鼻閉
- 咽喉頭症状:咽頭痛、痒み、外耳道の痒み、耳閉感
- 気道症状:咳、喘息症状
- 皮膚症状:湿疹、じんま疹(アトピー性皮膚炎の悪化因子となることもある)
- 全身症状:全身倦怠感、熱感、頭重感、集中力低下、消化器症状(嘔気、唾液分泌、下痢)
各種アレルギー性症状と対応
- アレルギー性鼻炎:くしゃみ、鼻汁、鼻閉
- アレルギー性結膜炎:そう痒、流涙、羞明
- アレルギー性咽頭炎:咽頭痛、嗄声
- アレルギー性気管支炎:咳嗽、喘息
- アレルギー性皮膚炎:じんま疹、湿疹
- アレルギー性外耳道炎:そう痒、耳閉感
- 胃腸アレルギー:嘔気、唾液分泌、下痢
- その他の症状:頭重感、倦怠感、集中力低下、めまい
予防と対策
- 花粉飛散情報の確認:花粉飛散が多い日は外出を控える。
- 室内対策:花粉を室内に持ち込まないように、衣類や髪をよく払ってから室内に入る。
- マスクやメガネの着用:外出時にマスクや花粉症用のメガネを着用する。
- 薬の使用:抗ヒスタミン薬や点鼻薬、点眼薬を使用して症状を軽減する。




