アセトン体

アセトン体とは?

アセトン体は、体内で糖(グルコース)が不足したときに脂肪が分解されて生成される物質です。アセトン体には、アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸の3種類があります。

正常な状態とは?

通常、健康な人の尿や血液にはアセトン体は検出されません。検査結果が「(-)検出せず」であれば正常です。しかし、以下のような状況でアセトン体が検出されることがあります:

  • 絶食や飢餓
  • 発熱
  • 嘔吐や下痢
  • 運動
  • 外傷
  • 管理が悪い糖尿病
  • ショック
  • 手術後
  • 妊娠悪阻(つわりがひどい状態)
  • 薬物中毒
  • 高脂肪食
  • 代謝亢進(体の代謝が非常に活発な状態)

検査結果の見方

検査結果に「(+)~(+++)」と表示されると、アセトン体が検出されたことを意味します。これが示すのは、体内のエネルギー利用が正常でない状態です。

アセトン体が増加する理由

体が糖を十分に利用できないとき、脂肪が代わりにエネルギー源として使われます。このとき脂肪が分解されてアセトン体が生成され、血液や尿中に増加します。特に糖尿病の患者さんでは、インスリン不足が原因で脂肪の分解が進み、アセトン体が増えることがあります。

どうすればよいか?

もしアセトン体が高い場合、特に糖尿病が原因であれば、医師に相談して適切な治療を受けることが重要です。糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)という緊急状態では、集中治療が必要になることがあります。その他の原因でも、体の状態や症状を見て適切な治療を受けることが必要です。

症状について

栄養不足が原因でアセトン体が増加すると、全身がだるく感じることがあります。また、重症の場合、息がアセトンのような甘い臭いがすることがあります。


より詳しい情報

アセトン体は、肝臓で生成され、骨格筋や心筋、腎臓などで利用されますが、これらの処理能力を超えると血液や尿中に排泄されます。糖尿病では、インスリンが不足するため脂肪が分解されてアセトン体が増加し、これが尿中に現れることがあります。

アセトン体が増加すると、pHが7.3以下になり糖尿病性ケトアシドーシスになることがあります。この状態では、アセトン臭が息に現れることがありますが、これは体内のバランスが大きく崩れているサインです。