コリンエステラーゼ(ChE)
基準値
- 男性:322~762 IU/L
- 女性:248~663 IU/L
異常値の読み方
- 高値(上限以上)
- しばしば認める病気:
- 脂肪肝(高頻度)
- 糖尿病
- ネフローゼ症候群
- 甲状腺機能亢進症
- 時に認める病気:
- 肥満
- 本態性家族性高ChE血症
- 肝細胞癌に伴う高ChE血症
- 低値(下限以下)
- しばしば認める病気:
- 肝硬変
- 肝細胞癌
- 劇症肝炎
- 慢性肝炎の急性増悪
- 低栄養
- 敗血症などの急性重症感染症
- 各種の悪性腫瘍
- 時に認める病気:
- 有機リン中毒
- 各種の慢性消耗性病気(膠原病、粘液水腫、下垂体・副腎不全、熱傷、天疱瘡、うっ血性心不全、潰瘍性大腸炎など)
異常値の原因
- ChE高値
- 原因:肝細胞での産生亢進による。
- 高値を示す病態:脂肪肝、糖尿病、ネフローゼ症候群、甲状腺機能亢進症など。
- まれな病態:肝細胞癌での高値は癌での産生亢進(腫瘍随伴症候群)と考えられます。通常、肝癌は肝硬変を伴うため低値を示します。
- ChE低値
- 原因:肝硬変を代表とする肝臓疾患と低栄養状態。
- 低値を示す病態:急性重症感染症、悪性腫瘍、慢性消耗性病気(低栄養状態を引き起こす)。
- その他の原因:白血病治療薬のL-アスパラギナーゼによる肝障害、有機リン中毒(ChE酵素活性の阻害)、副交感神経刺激薬(ウブレチドの内服)によるもの。
注意点
- 性ホルモンの影響:女性は妊娠、月経時に低下します。
- 性差:成人では女性のほうが低値です。
- 年齢差:新生児は成人の2/3、乳幼児は成人の130%までの値を示します。