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コリンエステラーゼ[ChE]
cholinesterase


基準値

・男性:322762IU/L

・女性:248663IU/L


 [検査データの読み方]

高値
(上限以上)
[しばしば認める病気]脂肪肝(高頻度)、糖尿病、ネフローゼ症候群、甲状腺機能亢進症 
[時に認める病気]肥満、本態性家族性高ChE血症、肝細胞癌に伴う高ChE血症
低値
(下限以下)

[しばしば認める病気]肝硬変肝細胞癌、劇症肝炎、慢性肝炎の急性増悪、低栄養、敗血症などの急性重症感染症、各種の悪性腫瘍 
[時に認める病気]有機リン中毒、各種の慢性消耗性病気(膠原病、粘液水腫、下垂体・副腎不全、熱傷、天疱瘡、うっ血性心不全、潰瘍性大腸炎など)


[どうして異常値が出たのだろう?]: ChEは肝細胞で産生される蛋白であります。
最近頻度が多いのは高度肥満に伴う脂肪肝かな?サリン中毒ではこの値が下がる。

血清ChE活性の高値 血清ChE活性の低値
肝細胞での産生の亢進による。

産生は高栄養状態、蛋白合成や脂質代謝の亢進を反映します。

脂肪肝、糖尿病、ネフローゼ症候群、甲状腺機能亢進症などの病態は活性亢進の原因と考えられます。

まれな病態ですが、肝細胞癌での高値は癌での産生亢進、すなわち腫瘍随伴症候群
(paraneoplastic syndrome)と考えられます。通常では肝がんは肝硬変を伴いますので低値を示します。
肝硬変を代表とする肝臓疾患と低栄養状態が原因としてあげられます。

急性重症感染症、悪性腫瘍、慢性消耗性病気は低栄養状態を惹起するので後者に属します。白血病治療薬の
L-アスパラギナーゼの肝障害で低下することもよく知られています。

 また、有機リン中毒での活性低下は、
ChEの酵素活性自体への阻害によるものと考えられます。副交感神経刺激薬ではウブレチドの内服によるものが臨床的に知られています。


[ワンポイントアドバイス]

(1)性ホルモンの影響で女性は妊娠、月経時に低下。
(2)性差あり。成人では女性のほうが低値。
(3)新生児は成人の
2/3、乳幼児は成人の130%まで。


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