胃・十二指腸潰瘍
gastro_duodenal ulcer
症状
腹痛を経験したことがない人は、おそらくいないでしょう。胃潰瘍は胃粘膜や胃の壁がえぐられてくるために起こる上腹部の痛みが特徴です。お腹がすいているときに胃が痛む方は、この病気を疑って病院を受診してみるべきです。
病気の原因
胃潰瘍はストレス病のひとつです。ストレスが多い人は、暴飲暴食をしやすく、喫煙や飲酒、コーヒーの過剰摂取が胃の粘膜を荒らします。ストレスが多いと胃の血流量が減少し、胃粘液の分泌量が減少します。このような胃壁は胃酸から胃壁を守る力が弱まり(防御能力の減少)、さらにお酒やタバコが入ってくると胃酸分泌が増加(攻撃因子の増加)し、結果として胃壁に穴が開きます。
最近では、このような状況をさらに悪化させる因子として、胃内のピロリ菌の感染が指摘されています。加齢とともに胃内のピロリ菌感染率は高くなり、このピロリ菌感染が胃潰瘍を悪化させ、治癒を遅延させています。また、この菌種の一部が胃がんを起こす因子としても注目されています。
無痛胃カメラ
上部消化管の検査として有名なのは、バリウムを飲んでレントゲン撮影をすることです。健康診断でもおなじみです。当院では胃カメラ検査が無痛で行えるため、エックス線被爆を選択することなく、胃カメラ検査を特に女性にお勧めしています。
安全でまったく無痛の胃カメラ検査を受けてみましょう。テレビモニタの中に、患者様の胃の状態が映し出されます。検査は家族同伴可能です。
胃カメラ検査の利点
- 口腔・咽頭・喉頭・声帯の観察が同時にできる。
- 食道を細かく見ることができる。
- 食道がん
- 逆流性食道炎
- なども同時に診断できる。
- カラーモニターで観察しているため、消化管の粘膜の色調の変化を観察できる(バリウム検査では粘膜に凸凹がないと異常を指摘できない)。
- 粘膜の異常を感じたら、その場で消化管の粘膜を切り取り、顕微鏡検査に回すことができる(生検)。
- 小さな腫瘍などは、その場で切り取ることができる。
- 潰瘍からの出血を止めることができる。
- 胃粘膜よりピロリ菌の培養検査を行うことができる。
胃カメラは一般的に苦しい検査であるという印象が強いですが、当院の胃カメラ検査はまったく無痛です。どうか安心して、お任せください。
治療
- 粘膜保護剤
- 胃酸分泌抑制剤
- ピロリ菌除菌療法
- プロトンポンプ阻害剤と抗生剤(抗生物質)を併用してピロリ菌を除去します。最近は、これらの薬を7日間パックにした薬キットが発売され、飲み間違うことがないため当院ではこの投薬キットを処方しています。
- 食事療法
- 規則正しく、消化のよいものをよくかんで食べる。
- 精神療法
- 安静・入院
- 手術療法
アドバイス
まずは胃潰瘍かなと思ったら医師に相談することです。市販の胃薬を内服して胃の痛みが消えて安心していたら、実は胃がんだったということもあります。胃潰瘍と診断された場合でも、内視鏡検査を行い、顕微鏡レベルで良性の潰瘍であることを確定診断することが重要です。




