HbA1c ヘモグロビンA1c(糖化ヘモグロビン)

hemoglobin A1c (glycated hemoglobin)

基準値

  • 成人(一般的な基準):4.3~5.8%

年齢別の基準値(日本糖尿病学会に基づく最新基準)

  • 20歳未満:4.3~5.8%
  • 20~39歳:4.3~5.8%
  • 40~59歳:4.3~6.0%
  • 60~69歳:4.4~6.5%
  • 70歳以上:4.5~7.0%

検査データの読み方

異常高値

  • 重要な疾患:糖尿病
  • たまにある病気:腎不全、アルコール多飲者、乳び血症、高ビリルビン血症、異常ヘモグロビン
  • 対応:上記疾患の鑑別、糖尿病の血糖コントロール

異常低値

臨床的にはあまり問題にならないが、糖尿病の状態が悪いのにデータが改善したときに考える要素

  • ありうること:赤血球寿命の短縮(失血、溶血、悪性貧血、新生物など)、肝硬変症
  • たまにあること:妊娠、持続性低血糖(インスリノーマなど)、異常ヘモグロビン血症
  • 対応:上記疾患の鑑別

説明

ヘモグロビンが非酵素的に血中の糖と徐々に結合し、糖化ヘモグロビンが形成されます。 赤血球が骨髄で形成された後、血中に浮遊している期間に曝されたブドウ糖濃度(血糖値)に比例して糖化ヘモグロビンの生成量が増加するため、長期の血糖コントロールを表す指標として有用です。糖化ヘモグロビンの値には直前の1カ月間の血糖値が50%、その前の1カ月間の血糖値が25%、さらに前の2カ月間の血糖値が25%寄与するといわれています。過去2~3カ月のダイエットとエクササイズの結果がここに集約されます。

ワンポイントアドバイス

  • グリコヘモグロビン(HbA1c)が7%、空腹時血糖が140mg/dL以上になると、網膜症や腎症が進行する率が高くなります。
  • HbA1cを7%未満に保つことが、糖尿病の合併症の予防(10%だと十年後の網膜症合併率は約30%です)、または進展防止(正常範囲だと網膜症の合併率は数%以下です)に役立ちます。