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ヒスタグロビン


ヒスタミン加人免疫グロブリン
immunoglobulin with histamine
血液成分製剤
639
【組成】 注射用:1バイアル中人免疫グロブリン12 mg,塩酸ヒスタミン0.15 μg。溶解後pH:6.8〜7.6 浸透圧比:約0.8
 ヒスタミン加人免疫グロブリンはガンマグロブリン(CohnII画分)とヒスタミンの合剤。白色の乾燥粉末製剤で,溶解液に溶かすとき,無色〜淡黄色の,澄明又はわずかに混濁した液剤となる。ガンマグロブリンはHBs抗原,抗HCV抗体,抗HIV-1抗体,抗HIV-2抗体陰性であり,かつALT(GPT)値でスクリーニングした健康人血漿を原料として,Cohnの低温エタノール分画法で精製され,更にHIV-RNA,HCV-RNA及びHBV-DNAについてPCR(複製連鎖反応)法を実施し陰性を確認している。しかし,ウイルス等の感染性を完全には否定できない

【適応】 気管支喘息,アレルギー性鼻炎,血管運動性鼻炎,アレルギー性皮膚疾患(じんま疹,慢性湿疹,アトピー性皮膚炎)

【用法】 1バイアルを注射用水1.5 mLに溶解し,皮下注射。1クールは1回1バイアル週1〜2回,小児には週1回の間隔で気管支喘息に6回,その他の適応には3回又は6回注射。十分な効果の現れない場合には更に1クールの注射を行う。この場合,成人1回最高3バイアルまで増量できる。また効果維持には3〜4カ月に1回反復

【注意】
(1)貴重な血液を原料として製剤化されたものである。問診,感染症関連の検査等の安全対策をとっているが,血液を原料としていることに由来する感染症の伝播等の危険性を完全に排除することはできないことから,疾病の治療上の必要性を十分に検討の上,必要最小限の使用にとどめる(使用上の注意の項参照)
(2)禁忌
(a)本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者
(b)激しい喘息発作時の患者[症状を増悪させることがある]
(c)月経直前及び期間中の婦人[一時的に症状を増悪させるおそれがある]
(d)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[妊婦,産婦,授乳婦等への投与の項参照]
(e)著しく衰弱している患者[発作を誘発するおそれがある]
(3)原則禁忌:本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
(4)慎重投与
(a)特に過敏性の強い患者(初回量を適宜減量する等の注意を行い漸次増量する)[発作を誘発するおそれがある]
(b)副腎皮質ステロイド剤常用患者(本剤の投与量を適宜減量する)[発作を増悪誘発するおそれがある]
(c)IgA欠損症の患者[抗IgA抗体を保有する患者では過敏反応を起こすおそれがある]
(d)肝障害の既往歴のある患者[肝機能異常を来したとの報告がある]
(e)溶血性・失血性貧血の患者[ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には,発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある]
(f)免疫不全患者・免疫抑制状態の患者[ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には,持続性の貧血を起こすことがある]
(5)重要な基本的注意
(a)本剤の成分であるγ-グロブリンは,HBs抗原,抗HCV抗体,抗HIV-1抗体及び抗HIV-2抗体陰性であり,かつALT(GPT)値でスクリーニングした健康人血漿を原料としてCohnの低温エタノール分画法で精製される。また,HIV-RNA,HCV-RNA及びHBV-DNAについてプール血漿段階でPCR(複製連鎖反応)法により陰性を確認しているが,投与に際しては次の点に注意する
(ア)血漿分画製剤の現在の製造工程では,ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため,本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので,投与後の経過を十分に観察する
(イ)肝炎ウイルス等のウイルス感染症の危険性については完全に否定できないので,観察を十分に行い,症状が現れた場合には適切な処置を行う
(b)発作あるいは症状の鎮静を目的とした対症療法剤ではないので,発作等の抑制効果は期待できない。発作時に投与すると,かえって症状を増悪する場合があるので,使用の際は注意する
(c)まれにショック等の重篤な副作用を起こすことがあるので,注意して使用し,経過を十分に観察する

(6)相互作用
 併用注意
薬剤名等・臨床症状・措置方法・機序・危険因子
非経口生ワクチン(麻しん,おたふくかぜ,風しん,これら混合ワクチン及び水痘ワクチン等)・本剤の投与を受けた者は,生ワクチンの効果が得られないおそれがあるので,生ワクチンの接種は本剤投与後3カ月以上延期する。また,生ワクチン接種後14日以内に本剤を投与した場合は,投与後3カ月以上経過した後に生ワクチンを再接種することが望ましい・本剤中の免疫抗体の中和反応により,生ワクチン中の弱毒ウイルスの増殖が抑制され,免疫を獲得できなくなるおそれがある

(7)副作用:使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため,発現頻度については文献,自発報告を参考に集計した(再審査対象外)
(a)重大な副作用 ショック[頻度不明(※)]:ショックを起こすことがあるので,観察を十分に行い,血圧低下,チアノーゼ,呼吸困難等の異常が認められた場合には,直ちに中止し,適切な処置を行う

(b)その他の副作用
 ・0.1〜5%未満・0.1%未満・頻度不明(※)
過敏症(注)・じんま疹,発疹,喘息発作,一時的な鼻症状の増悪,そう痒・咳嗽,呼吸困難,くしゃみ発作・ 
精神神経系・眠気,頭痛・めまい・しびれ感
循環器・ ・熱感,心悸亢進・ 
消化器・ ・悪心,嘔気,腹痛・嘔吐
肝臓・ ・GOTの上昇,GPTの上昇・ 
投与部位・注射部疼痛・注射部硬結,注射部発赤・ 
その他・発熱・のぼせ,気分不良,倦怠感・ 
(注)症状が発現した場合には中止し,適切な処置を行う
(※)自発報告においてだけ認められている副作用のため頻度不明とした

(8)高齢者への投与:一般に高齢者では生理機能が低下しているので,患者の状態を観察しながら慎重に投与する
(9)妊婦,産婦,授乳婦等への投与:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]
(10)小児等への投与:未熟児,新生児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)
(11)適用上の注意
(a)投与経路:皮下注にだけ使用する。決して静注してはならない
(b)調製時
(ア)溶解時に白濁の認められるものは投与しない
(イ)いったん溶解した後の保存,又は再使用は避ける
(c)溶解時:プラスチック製バイアルキャップを外した後ゴム栓を消毒し,必ずゴム栓中央部分に注射針を垂直に刺し,添付の溶解用液を注入して溶解する
(12)凍結を避け2〜10゜C保存
(13)規制等:指

【作用】
(1)臨床成績(二重盲検比較試験。プラセボはγ-グロブリン)
(a)アレルギー性鼻炎,血管運動性鼻炎に対する効果(103例):1回1バイアル投与の治療で有用率67%(52例),プラセボ群と比べ有意差。症状別では,くしゃみ,水性鼻漏に対し有意に改善。1回1バイアルの治療により十分な効果の現れない症例に対する1回2〜3バイアルの治療で有効率60%(112例)
(b)アトピー性皮膚炎,湿疹・皮膚炎群に対する効果(112例):特に止痒効果を重視した1回1バイアル投与の治療で有用率58%(57例),プラセボ群と比べ有意差。1回1バイアルの治療により十分な効果の現れない症例に対する1回2〜3バイアルの治療で有効率54%(39例)
(c)じんま疹に対する効果(128例):慢性じんま疹を含むじんま疹患者に1回1バイアル投与の治療で有用率72%(64例),プラセボ群と比べ有意差。1回1バイアルの治療により十分な効果の現れない症例に対する1回2〜3バイアルの治療で有用率51%(57例)
(d)気管支喘息に対する効果(129例):気管支喘息患者に1回1バイアル投与の治療で有用率73%(60例),プラセボ群と比べ有意差。ステロイド(内服),気管支拡張剤(内服)の使用量が有意に減少。1回1バイアルの治療により十分な効果の現れない症例に対する1回3バイアルの治療で有効率59%(22例)
(2)薬効薬理
(a)好酸球浸潤抑制作用:週2回,3週間の皮下投与でアレルゲン誘発によるT細胞依存性好酸球浸潤を50〜150 mg/kg/日で用量依存的に抑制。150 mg/kg/日投与時にみられる抑制作用はシクロスポリン100 mg/kg/日投与時と同程度。配合成分であるヒスタミンやγ-グロブリンの単独投与(150 mg/kg/日相当量)では何ら抑制作用は認められない(マウス)
(b)ヒスタミン遊離抑制作用:in vitroでラット肥満細胞の脱顆粒及びヒスタミン遊離を,またヒト白血球からのヒスタミン遊離を抑制
(c)ヒスタミン防御力の付与:反復投与により,アレルギー疾患患者に欠如しているヒスタミン防御力を獲得させ,ヒスタミンに対する耐性を高めることが示唆

【添付文書】ヒスタグロビン1999年11月改訂


【製品一覧】
採用 編集 製品名 会社名 規格単位 薬価 1日薬価 規制 薬価コード 製品英名 製品メモ
非採用 未編集 ヒスタグロビン 日本臓器 (人血清ガンマグロブリン12mg ヒスタミン二塩酸塩0.15μg)1瓶(溶解液付) 714.00 6399500D1022 Histaglobin



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