ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)
定義と基準値
leucine aminopeptidase
基準値: 20~70U/L
検査データの読み方
- 増加 (70~200U/L)
- しばしば認める病気: 胆石、胆嚢炎、急性肝炎、アルコール性肝障害、肝細胞癌、転移性肝癌
- 時に認める病気: 慢性肝炎
- 高度増加 (200U/L以上)
- しばしば認める病気: 肝細胞癌、転移性肝癌、胆石症による胆道閉塞、薬剤性肝炎
- 時に認める病気: 家族性高LAP血症
閉塞性の胆道の病気
LAPの増加は胆道の閉塞状態、ウイルス感染症、白血病、悪性リンパ腫などで見られます。
異常値の原因:
- 肝臓や胆嚢の障害が疑われる
- 膵臓の検査も推奨
診断のために重要な検査:
- 腹部超音波検査
- ALP、γGTPの値に注意
LAPの役割
ロイシンアミノペプチダーゼ (LAP) は、ペプチドのN末端を切ってロイシンまたは他のアミノ酸を遊離する酵素です。肝、腎、小腸、膵に分布し、肝ではミクロソーム膜および胆汁分泌側の膜に活性を持ちます。肝炎では細胞障害により逸脱し、胆汁うっ滞や薬剤性肝障害、アルコール性肝障害では酵素誘導により活性の上昇が見られます。
臨床での利用:
- 肝・胆道の閉塞状態の評価
- アイソザイムとして肝臓やリンパ球の細胞質に存在するLAPを測定
ワンポイントアドバイス
- 日内変動なし: LAPの値は日内で変動しない。
- 食事の影響なし: 食事によって値が影響されることはない。
- 成長期の影響: 乳児期に高く、成長期に軽度上昇するが、成人では年齢による変化はない。
- 性別の違い: 男性の方が活性が高い。また、妊娠時(5カ月以降)に活性の上昇が認められる。




