血小板数[Plt]
platelet blood count
基準値
・自動血球計数器:15〜35×10000/μL(静脈血)
・視算法(直接法):14〜34×10000/μL(毛細管血)
[検査データの読み方]
2×10000/μL以下 (高度減少) |
[しばしば認める病態]白血病、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、抗腫瘍化学療法後 [時に認める病態]偽性血小板減少症、DIC [どうするか]血小板輸血 |
2〜5×10000/μL (中等度減少) |
[よくある病態として]白血病、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、抗腫瘍化学療法後 [どうするか]骨髄穿刺。原因となっている病態の診断と治療。出血傾向が顕著であれば血小板輸血 |
5〜15×10000/μL (軽度減少) |
[よくある病態として]白血病、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、抗腫瘍化学療法後、薬剤性血小板減少症、巨赤芽球性貧血、膠原病、脾機能亢進(肝硬変が進行すると血小板は低下しこれは重要な肝硬変の予後の指標である)、ウイルス感染 [どうするか]原因となっている病態の診断と治療 |
40〜80×100000/μL (増加) |
[しばしば認める病態]出血、鉄欠乏性貧血 [時に認める病態]術後、摘脾、感染症、慢性骨髄性白血病 [どうするか]原因となっている病態の診断 |
80×100000/μL以上 (高度増加) |
[しばしば認める病態]本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病 [時に認める病態]真性多血症、骨髄線維症 [どうするか]原因となっている病態の治療。血小板を低下させる薬剤(hydroxy ureaなど)投与、血栓傾向があればplasma phresis |
[どうして異常値が出たのだろう?]
肝硬変の予後推定にも重要な指標。一般的に、血小板数が減少した肝硬変は予後が悪いとされる。
血小板減少は産生の低下と破壊の亢進があり、前者は骨髄機能不全、後者は免疫的機序によることが多い。血小板増殖因子(トロンボポエチン)を臨床に用いることが可能になれば有用であるが、現在は特異的治療がなく、出血傾向が顕著であれば血小板輸血をする。血小板増多は腫瘍性と反応性があり、後者は臨床的に問題になることは少ない。体質的な場合と、大量の抗生物質使用時などの薬剤の影響、あるいは原因不明の後天的な場合がある。
偽性血小板減少症 | |
抗凝固剤にEDTAを用いるとEDTA血小板凝集が起こり、自動計数器で血小板減少になることがある。 このような場合には、シリンジをヘパリンでぬらして採血し、カウントをとりなおすとよい。 |
巨核球 | 骨髄像 |
これが骨髄の中で血小板を作る細胞だ。 細胞の直径は、35〜160μm。 周辺の赤芽球と比較するとその大きさがわかるでしょ。 |