スギ花粉症の治療方針
スギ花粉症の治療において、まず重要なのはアレルゲンの回避です。これには、以下の対策が含まれます:
- アレルゲンの回避
- 屋外活動の制限:花粉の飛散が多い晴天や風の強い日には外出を控える。
- 防護用品の使用:外出する場合はマスクや眼鏡を着用し、花粉の付着を防ぐ。
- 室内の清潔保持:帰宅後は衣服や髪についた花粉をしっかりと払う。布団や寝具は室内で乾燥させる。
- 環境改善:職業性花粉症の場合、職場環境の改善も重要です。
- 薬物療法
- 抗ヒスタミン薬:症状の緩和に有効。くしゃみや鼻漏を抑える効果があります。
- 抗アレルギー薬:ケミカルメディエーターの遊離を抑制する効果があり、花粉シーズンの1か月前からの内服が推奨されます。
- 局所ステロイド薬:鼻閉や重症の症状に対して、ステロイドを局所的に使用することで炎症を抑えます。
- 血管収縮薬:鼻閉に対して、血管を収縮させる薬が使用されます。
- 抗コリン薬:鼻漏を抑える効果があります。
- 免疫療法
- 特異的免疫療法(減感作療法):原因となる花粉に対する免疫を高める治療法で、根治療法として期待されています。
重症度別治療方針
| 重症度 | 病型 | 対症療法 | 基礎療法 |
|---|---|---|---|
| 軽症 | くしゃみ・鼻漏・鼻閉 | 抗ヒスタミン薬、ヒスタミン遊離抑制薬 | 抗原回避、減感作療法 |
| 中等症 | くしゃみ・鼻漏・鼻閉 | 遊離抑制薬、新抗ヒスタミン薬、局所ステロイド薬、血管収縮薬 | 抗原回避、減感作療法 |
| 重症 | くしゃみ・鼻漏・鼻閉 | 局所ステロイド薬+抗ヒスタミン薬、抗コリン薬、血管収縮薬、時に手術 | 抗原回避、減感作療法 |
| 難治性 | くしゃみ・鼻漏・鼻閉 | 局所ステロイド薬+抗ヒスタミン薬、抗コリン薬、血管収縮薬、時に手術 | 抗原回避、減感作療法 |
治療のポイント
- 花粉症シーズンの1週間前から治療を開始する:早期の治療開始が症状の悪化を防ぎます。
- 症状改善後もすぐに投薬を止めない:症状が落ち着いても、薬の効果を持続させるために治療を続けます。
- 目の症状には点眼薬を用いる:眼のかゆみや炎症には専用の点眼薬が効果的です。
これらの治療方針を実施することで、スギ花粉症の症状を効果的に管理し、快適な生活を送ることができます。




