鼻アレルギー(花粉症、アレルギー性鼻炎)

Allergic Rhinitis

スギ・ヒノキ花粉飛散概況

鼻アレルギーとは、「くしゃみ」、「鼻水」、「鼻詰まり」の三つの症状を特徴とする疾患です。時に鼻がむずがゆく、眼球が痒く、嗅覚を失うこともあります。このような症状が一年を通じて出現する人もいれば、ある季節に集中して現れる人もいます。通年型のアレルギーの代表はダニで、ハウスダストの中にはダニが潜んでいます。季節性アレルギーの代表としてスギ花粉症が挙げられます。これは2月から3月にかけて猛威を振るいます。

症状の多様性

症状の現れ方はさまざまで、すべての症状が揃っていない人もいます。一日の中でも朝だけ症状が強い場合や、通年型でも季節変動がある場合もあります。このため、風邪と誤解されるケースも少なくありません。

症状の重症度と自己判定

次の表で自分の症状を判定してみてください。

重症度くしゃみ発作回数 (1日平均)鼻をかむ回数 (1日平均)鼻づまり状態
最重症21回以上21回以上1日中、完全に詰まっている
重症11-20回11-20回かなりの時間を口で呼吸する
中等症6-10回6-10回時々口で呼吸する
軽症1-5回1-5回口で呼吸しないが鼻づまりがある
無症状0回0回なし

鼻アレルギーの原因(アレルゲン)

鼻は呼吸の通り道ですから、空気中に浮遊しているすべてのものが原因となりえます。代表的なものとして、ハウスダスト、スギ、ブタクサ、カビの胞子、動物の体毛やフケなどがあります。これらは通年型や季節型のアレルギーを引き起こします。

生活環境整備

アレルゲンを避けることが重要です。ダニやカビが原因の場合には清掃に力を入れましょう。花粉の場合には外出を控え、マスクやゴーグルを使用し、外出後は洗顔とうがいを行いましょう。ペットが原因の場合には、ペットを手放すことを検討しましょう。

発作の起きる仕組み

アレルゲンに対する抗体が肥満細胞(マスト細胞)に結合し、アレルゲンと再び接触すると抗原抗体反応が起きます。これによりヒスタミンなどの化学物質が放出され、炎症を引き起こします。

対症療法(現在の症状を緩和する治療)

  1. 抗ヒスタミン剤
  2. 抗アレルギー剤
  3. 副腎皮質ホルモン剤
  4. 漢方薬
  5. 血管収縮剤(点鼻薬)

これらは症状を一時的に緩和するが、根本的な治療にはなりません。

減感作療法(免疫異常調整による原因療法)

特異的減感作療法と非特異的減感作療法があります。特異的減感作療法はアレルゲンエキスを少量から徐々に増やし投与し、免疫状態を改善します。非特異的減感作療法は肥満細胞の細胞膜の破綻を抑え、ケミカルメディエーターの放出を抑制します。