総コレステロール
Total Cholesterol
基準値
- 130~220 mg/dL
検査データの読み方
高度減少
- 40 mg/dL以下
- 認められる病気: 無β-リポ蛋白血症、低β-リポ蛋白血症ホモ接合体、家族性短縮アポ蛋白B血症、肝硬変、劇症肝炎、悪液質
中等度減少
- 40~80 mg/dL
- 認められる病気: 低β-リポ蛋白血症ヘテロ接合体、家族性短縮アポ蛋白B血症、甲状腺機能亢進症、栄養障害、肝硬変、劇症肝炎、悪液質
軽度減少
- 80~130 mg/dL
- 認められる病気: 低β-リポ蛋白血症ヘテロ接合体、家族性短縮アポ蛋白B血症、Tangier病、甲状腺機能亢進症、栄養障害、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、劇症肝炎、悪液質、吸収不良、経静脈高カロリー輸液、Addison病、貧血、慢性感染症
軽度増加
- 220~300 mg/dL
- 認められる病気: 家族性高コレステロール血症、家族性欠陥アポ蛋白B血症、家族性複合型高脂血症、家族性Ⅲ型高脂血症、特発性高コレステロール血症、CETP欠損症、糖尿病、甲状腺機能低下症、先端巨大症、下垂体機能低下症、Cushing症候群、閉塞性黄疸、肝細胞癌、Zieve症候群、脂肪肝、原発性胆汁性肝硬変、膵炎、ネフローゼ症候群、痛風、高尿酸血症、妊娠、薬物(ステロイド、経口避妊薬、β-ブロッカー)
中等度増加
- 300~500 mg/dL
- 認められる病気: 家族性高コレステロール血症、家族性欠陥アポ蛋白B血症、家族性複合型高脂血症、家族性Ⅲ型高脂血症、特発性高コレステロール血症、CETP欠損症、糖尿病、甲状腺機能低下症、先端巨大症、下垂体機能低下症、Cushing症候群、閉塞性黄疸、肝細胞癌、Zieve症候群、原発性胆汁性肝硬変、ネフローゼ症候群
高度増加
- 500 mg/dL以上
- 認められる病気: 家族性高コレステロール血症、家族性欠陥アポ蛋白B血症
- 時に認める病気: ネフローゼ症候群
どうして異常値が出たのだろう?
血清コレステロール濃度を規定しているのは主として肝臓におけるコレステロールの合成と異化です。以下に異常値が出る原因をまとめます。
- 高コレステロール血症:
- 肝臓のリポ蛋白受容体の異常
- 受容体に結合するアポ蛋白B、Eの異常
- 閉塞性黄疸による胆道を介したコレステロールの異化障害
- ホルモンの異常
- ネフローゼ症候群による肝臓でのコレステロール合成亢進
- 食事によるコレステロール摂取過剰
- 低コレステロール血症:
- 肝臓でのコレステロール合成の低下
- 家族性短縮アポ蛋白B血症の一部や甲状腺機能亢進症による異化の亢進
日本人における血清総コレステロール値と冠動脈疾患相対危険との関連
高コレステロール血症は動脈硬化症の危険因子となるため、治療が必要です。動脈硬化症に直接関係するのは悪玉のLDL-コレステロール濃度です。日本動脈硬化学会の高脂血症ガイドラインを参考にして治療を進めましょう。
ワンポイントアドバイス
- 加齢に伴う増加: 20歳以降、加齢に伴い徐々に増加します。
- 女性の更年期: 更年期を機に急速に増加することがあります。




