トリグリセリド[TG][中性脂肪]
Triglyceride
基準値
- 50~150 mg/dL
検査データの読み方
低下
- 50 mg/dL以下
- しばしばあるいは時に認める病態: 低β-リポ蛋白血症、無β-リポ蛋白血症、甲状腺機能亢進症、吸収不良症候群、肝硬変、悪液質、副腎不全
軽度上昇
- 150~300 mg/dL
- しばしばあるいは時に認める病態: 家族性複合型高脂血症、家族性Ⅳ型高脂血症、甲状腺機能低下症、LCAT欠損症、糖尿病、Cushing症候群、下垂体機能低下症、ネフローゼ症候群、閉塞性黄疸、脂肪肝、高尿酸血症、自己免疫病態、肥満、妊娠、アルコール多飲、高カロリー食
中等度上昇
- 300~1,000 mg/dL
- しばしばあるいは時に認める病態: リポ蛋白リパーゼ欠損症、アポ蛋白C-Ⅱ欠損症、家族性Ⅲ型高脂血症、家族性複合型高脂血症、家族性Ⅳ型高脂血症、アポ蛋白E欠損症、甲状腺機能低下症、LCAT欠損症、糖尿病、Cushing症候群、下垂体機能低下症、ネフローゼ症候群、閉塞性黄疸、脂肪肝、Zieve症候群、急性膵炎、高尿酸血症、自己免疫病態、肥満、妊娠、アルコール多飲、高カロリー食
高度上昇
- 1,000 mg/dL以上
- しばしばあるいは時に認める病態: リポ蛋白リパーゼ欠損症、アポ蛋白C-Ⅱ欠損症、アポ蛋白E欠損症、ネフローゼ症候群、Zieve症候群、急性膵炎、アルコール多飲
どうして異常値が出たのだろう?
暴飲暴食、肥満、糖尿病、動脈硬化はありませんか?
トリグリセリドはカイロミクロン(CM)、VLDLといった大型のリポ蛋白に主として含有されています。これらのリポ蛋白は以下のようなプロセスで代謝されます。
- カイロミクロン(CM): 小腸で生成され、リポ蛋白リパーゼの作用を受けて代謝されます。食後6時間後にはほとんど血中より消失します。
- VLDL: 肝臓で生成され、リポ蛋白リパーゼとアポ蛋白C-Ⅱの作用で代謝されます。糖尿病や糖質過剰摂取、脂肪肝ではVLDLの合成が亢進し、高トリグリセリド血症を引き起こします。
ワンポイントアドバイス
- 男性が女性より高値を示すことが一般的です。
- 加齢とともに徐々に増加します。
- 運動、食事、アルコールなどの影響を受けやすい。
- 同一個体での日差変動が大きい。
高トリグリセリド血症は動脈硬化症の危険因子であり、極端な場合は急性膵炎の原因となるため治療が必要です。逆に、アポ蛋白Bの合成障害や、VLDLやCMのassemblyの異常では、低トリグリセリド血症となります。




