血清総蛋白(TP)

Serum Total Protein

基準値

  • 6.3~7.8g/dL

検査データの読み方

高度減少(5g/dL以下)

しばしば認める病態:

  • ネフローゼ症候群
  • 重症肝障害
  • 悪液質(ガン末期のやせた状態)

時に認める病態:

  • 蛋白漏出性胃腸症

対策:

  • アルブミン製剤の静注
  • 栄養補給

中等度減少(5~6g/dL)

しばしば認める病態:

  • ネフローゼ症候群
  • 重症肝障害
  • 悪液質
  • 栄養障害
  • 吸収不全症候群
  • 無γ-グロブリン血症

対策:

  • 栄養補給

軽度減少(6~6.3g/dL)

しばしばあるいは時に認める病態:

  • ネフローゼ症候群
  • 重症肝障害
  • 悪液質
  • 炎症性病態
  • 血液希釈

対策:

  • 適宜栄養補給

軽度増加(7.8~9g/dL)

しばしばあるいは時に認める病態:

  • 慢性肝炎
  • 肝硬変の初期
  • 慢性炎症性病態
  • 悪性腫瘍
  • 脱水症

対策:

  • 適宜栄養補給

中・高度増加(9g/dL以上)

しばしばあるいは時に認める病態:

  • 多発性骨髄腫
  • 原発性マクログロブリン血症
  • 自己免疫性肝炎

特徴:

  • アルブミンが増加しているのではなく、グロブリンが増加している病態

どうして異常値が出たのだろう?

栄養失調の原因:

  • 栄養不良
  • 肝合成能の低下
  • 体外への喪失

蛋白分画の検討:

  • 血清中にはさまざまな蛋白成分が存在し、総蛋白の増減は主にアルブミンとγ-グロブリンの変化を反映しています。
  • 総蛋白の増加はγ-グロブリンの増加を反映し、脱水症を除いてアルブミンが増加することはありません。
  • 総蛋白の減少は主にアルブミンの低下を反映し、生命予後を予想するのに有効です。