尿糖検査
概要
尿糖(尿中のグルコース)は、通常、健康な人の尿中にはほとんど存在しません。しかし、血糖値が非常に高くなると、腎臓がグルコースを再吸収しきれず、尿中にグルコースが排出されることがあります。尿糖検査は、糖尿病や他の病態を検出するために使用されます。
基準値
- 定性: 陰性(感度0.1g/dL未満)
- 定量: 0.029~0.257g/日
異常値の読み方
定性
- 1+~4+(0.1~2g/dL)
定量
- 0.5~1g/日以上
しばしば認める病気
- 糖尿病
- 胃切除後
- 甲状腺機能亢進症
時に認める病気
- 尿細管障害(腎性糖尿、Fanconi症候群、重金属中毒、慢性腎不全など)
- 妊娠
- 生後10~14日以内
対処方法
- 血糖値測定: 血糖値、HbA1c、フルクトサミンの測定により糖尿病の評価を行います。
- 腎障害の精査: 必要に応じて追加の検査を行います。
異常値の原因
高血糖が尿糖陽性の主な原因ですが、その他の病態も考えられます。例えば心筋梗塞、膵炎、膵癌、甲状腺機能亢進症、Cushing症候群、褐色細胞腫、低カリウム血症などでも高血糖や尿糖陽性が認められます。
糖吸収閾値
- 健常者では、血糖値が160~180mg/dLを超えると尿中に糖が出現します。
- 糖吸収閾値の低下が原因で尿糖陽性となることもあります。これは高血糖がなくても尿細管での糖の再吸収が低下した場合に起こります。
高血糖を伴わない尿糖陽性の病態
- 尿細管障害(腎性糖尿、Fanconi症候群、重金属による腎障害など)
- 妊娠
- 生後10~14日以内
- 糖尿病治療後
まとめ
尿糖検査は糖尿病のスクリーニングに有効ですが、他の病態も考慮する必要があります。詳細な診断と適切な治療計画のためには、医師の指導を仰ぐことが重要です。




