抗ストレプトリジンO値(ASO)

基準値

  • 160単位以下(ラテックス免疫比濁法)

高値

  • 320単位以上考えられる病気
    • 溶血性連鎖球菌(溶連菌)の感染に関連する病気
      • 急性扁桃炎
      • 猩紅熱
      • 亜急性細菌性心内膜炎
      • リウマチ熱
      • 急性糸球体腎炎
      • 敗血症

異常値の原因

  • 溶連菌の感染が疑われます。扁桃溶連菌感染症から始まり、心臓弁膜症や慢性腎炎を引き起こすことがあります。

ASOについて

  • **ASO(抗ストレプトリジンO抗体)**は、A群溶血性連鎖球菌が産生する外毒素(ストレプトリジンO)に対する抗体です。溶連菌感染によって上昇します。
  • 診断:ASOはストレプトリジンOの溶血作用を中和するため、その毒素中和価を測定することで連鎖球菌感染症の診断が可能です。

溶連菌感染症の症例

  • 小児の症状
    • 発熱
    • 咽頭痛
    • 細かい発疹
    • 強い発赤(Beefy red)、点状出血
    • 舌苔(strawberry tongue)

ワンポイントアドバイス

  1. 320単位以上の場合:連鎖球菌の感染が疑われます。
  2. 健常者でも抗体価を示すことがあり、個人差があります。急性期と回復期の2回に分けて採血・検査し、4倍以上の差を認めたときに有意とされます。
  3. 小児のASO値は成人よりも高い値を示すことが多いです。
  4. β-リポ蛋白がストレプトリジンOによる溶血を阻止するため、肝臓の病気、ネフローゼ症候群、骨髄腫、マクログロブリン血症などではASO値が高くなることがありますが、溶連菌感染とは無関係です。