C反応性蛋白 (CRP)
C-reactive protein
基準値
- 成人: 0.5mg/dL以下
検査データの読み方
- 基準範囲: 0.5mg/dL以下
- 健康
- 軽度上昇: 0.5~1mg/dL
- しばしば認める病気: 軽症の急性炎症、風邪、炎症性の病気の初期および回復期
- 中等度上昇: 1~10mg/dL
- しばしば認める病気: 細菌感染症、悪性腫瘍、心筋梗塞、慢性関節リウマチ、外傷、活動期の免疫不全症
- 高度上昇: 10mg/dL以上
- 入院が必要なレベル
- しばしば認める病気: 重症細菌感染症、活動期の慢性関節リウマチ
- 時に認める病気: 新生児感染症、ウイルス感染、真菌感染、脳梗塞、造血系腫瘍など
CRPとは?
CRPは急性相反応物質の1つであり、体内で炎症が発生すると血液中に急激に増加します。CRPの主な役割は、体内で生じた異物や組織の損傷に対する迅速な反応であり、免疫系の一部として機能します。CRPのレベルは炎症の程度や原因によって異なりますが、その変化は従来の血沈値(赤血球沈降速度)と似たパターンを示します。
炎症が発生すると、マクロファージが異物を貪食し、インターロイキン1(IL-1)、インターロイキン6(IL-6)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)といったサイトカインを放出します。これらのサイトカインが肝臓のCRP生成を刺激し、急激にCRPが増加します。
感染症の推移を表す重要な指標
CRPは、病原微生物の侵入、循環障害、細胞や組織の損傷・壊死(例えば、心筋梗塞)、手術や外傷、免疫反応障害などで炎症が発生したときに血中で迅速かつ鋭敏に増加します。CRPのレベルは病気の活動性や重症度を反映するため、診断および治療のモニタリングにおいて重要です。
ワンポイントアドバイス
- CRPが4mg/dLを超えた場合は自宅での安静と加療を、10mg/dLを超えた場合は入院を検討してください。20mg/dLを超える場合は病院での個室管理が推奨され、30mg/dLを超える場合は生命の危機がある可能性があります。
補足情報
- CRPの動態: CRPは発症後約6時間で増加しはじめ、回復後は速やかに正常化します。CRPは血沈値とよく相関しますが、増加や減少のタイミングには時間差があり、CRPの方がより迅速に反応します。
- 特定の悪性腫瘍: 造血系腫瘍や骨転移を伴う前立腺癌、ホルモン産生腫瘍ではCRPが基準値以下となることがあります。
- 新生児のCRP: 正常成熟新生児の出生直後のCRPは非常に低いですが、生後すぐに急激に増加することがあります。
- 影響因子: 年齢(高齢とともに増加)、性別(男性は女性よりやや高値)、妊娠(後期で増加)によってCRPの値は影響を受けます。




